話せばわかってもらえるはずと信じて疲れ果てた人へ、無理に理解し合おうとしなくていいと教えてくれる一冊『分かり合えない人をうまくかわす技術』を読んで肩の力が抜けた理由
価値観の合わない親戚と顔を合わせるたびに、何度説明しても話が噛み合わない。職場の苦手な上司に、時間をかけて事情を説明したのに、結局まったく伝わらなかった。そんな経験はないでしょうか。
僕にも、どうしても分かり合えない相手がいました。丁寧に説明すれば、いつかきっと理解してもらえるはずだと信じて、何度も言葉を尽くしていた時期があります。けれど結果は変わらず、そのたびに消耗するのは自分だけ。「自分の説明の仕方が悪いのだろうか」と自分を責め続けていたときに手に取ったのが、臨床心理士の田所俊作さんによる『分かり合えない人をうまくかわす技術』でした。
本の紹介
この本が突きつけてくるのは、「話し合えば人はいつか分かり合える」という、僕たちが当たり前だと思い込んでいる前提そのものへの疑問です。著者はカウンセラーとして数多くの相談に向き合ってきた経験と、自律神経の働きに着目したポリヴェーガル理論という科学的な知見をベースに、「分かり合えない相手は現実に存在する」という前提に立ったうえで、無駄に消耗せずにその相手と付き合っていくための具体的な技術を教えてくれます。単に我慢する・逃げるという話ではなく、自分の心と体をどう守るかという実践的な視点が新鮮でした。
心に残った言葉・要点
①分かり合えない相手は「いる」という前提に立つ
すべての人と理解し合える必要はなく、分かり合えない相手が一定数いるのは当然のことだという前提から本書は始まります。僕はどこかで「努力すれば誰とでも分かり合えるはず」と信じ込んでいたのですが、その前提自体を疑うことで、「分かり合えないのは自分の努力不足のせいだ」という思い込みから少し解放された気がしました。
②自律神経の反応を理解すれば、無駄に消耗せずに済む
苦手な相手を前にすると、頭で考えるより先に体が緊張したり身構えたりしてしまうのは、自律神経の自然な反応だという説明が印象的でした。自分の消耗の正体が「気合いが足りない」からではなく、体の仕組みによるものだと知ってから、苦手な相手との会話の後にどっと疲れてしまう自分を、以前より責めずに済むようになりました。
③「かわす」は逃げではなく、自分を守るための技術
真正面からぶつからず受け流す「かわす」という行為を、逃げや卑怯さと捉えるのではなく、自分の心身を守るための立派な技術として位置づけている点に、これまでの自分の価値観が揺さぶられました。無理に理解し合おうとせず、うまく受け流すという選択肢があると知ってから、苦手な相手との時間を「今日はどう乗り切ろうか」と少し軽い気持ちで考えられるようになりました。
④距離を取ることは、関係を諦めることと同じではない
相手と適切な距離を取ることは、関係を完全に切り捨てることとは違う、という指摘も心に残りました。全部を分かり合おうとせず、必要な距離感を保ちながら付き合い続けるという選択肢があることを知り、「白か黒か」でしか関係性を捉えられていなかった自分に気づかされました。
読み終えての決意・変化
この本を読んでから、苦手な相手に対して「いつか分かってもらおう」と無理に頑張るのをやめました。代わりに、必要な会話は必要な分だけ交わし、それ以上は深追いしないという距離感を意識するようにしています。分かり合えないこと自体を失敗だと捉えなくなっただけで、人間関係にかけていた無駄な力がかなり抜けたように感じます。
締めくくり
話せば分かってもらえるはずだと信じて疲れてしまっているなら、その頑張りを少し手放してもいいのかもしれません。分かり合えない相手とも、無理なく付き合っていくための技術を知りたい方に、この一冊をおすすめします。
Amazonで見る(単行本)
Amazonで見る(Kindle版)
楽天市場で見る
※本サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。
※本サイトは楽天アフィリエイトプログラムの参加者です。