部下の育て方に自信が持てない中間管理職へ、Google流の教え方を学んだ『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』を読んで一歩踏み出した理由
初めて部下を持つことになったとき、「教える」ということがこんなに難しいとは思っていませんでした。自分がプレイヤーとして成果を出してきたやり方をそのまま伝えても、部下は思うように動いてくれず、かといって手取り足取り教えると「うちの上司は口うるさい」と距離を置かれる。自分なりに頑張って指導しているつもりなのに、部下の成長にもチームの成果にもつながっている実感がなく、「自分にはマネジメントの才能がないのかもしれない」と悩んでいた時期がありました。
そんなときに出会ったのが『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』です。似たタイトルの本に『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』(越川慎司さん著)がありますが、この2冊は著者も出版社も異なる別の本ですのでご注意ください。本書の著者は、元Googleで人材開発責任者を務めたピョートル・フェリクス・グジバチさん。世界最先端の人材開発の現場で、実際にどう部下・メンバーを育てていたのかを知りたくて手に取りました。
本の紹介
本書の特徴は、精神論や心構えの話にとどまらず、Googleをはじめとするグローバル企業で実践されている「部下への教え方」を具体的な行動レベルに落とし込んで紹介している点です。「褒めて伸ばす」「叱って正す」といった単純な二元論ではなく、部下が自分で考え、自分で答えを見つけられるようになるための問いかけ方や、フィードバックの伝え方など、明日から使える具体策が並んでいます。
心に残った言葉・要点
①「教えることは、答えを渡すことではない」
自分が今まで「指導」だと思っていたのは、実は「答えを先回りして渡すこと」だったのだと気づかされました。本書は、部下に答えを渡してしまうと、その場は早く解決してもチームの成長は止まってしまうと指摘します。もどかしくても部下自身に考えさせるプロセスを大事にする、という姿勢に、自分の指導スタイルを反省させられました。
②「フィードバックは”人”ではなく”行動”に向ける」
部下の失敗を指摘するとき、つい「なんでできないんだ」と人格に近いところまで踏み込んでしまっていたことに気づきました。本書は、フィードバックはあくまで「その行動がどう影響したか」に焦点を当てるべきだと説きます。この違いを意識するだけで、部下との会話の空気がかなり変わることを実感しています。
③「心理的安全性は、優しさだけでは生まれない」
「心理的安全性」という言葉自体は聞いたことがありましたが、本書は単に「優しく接すること」とは違うと明確に線引きしています。率直に意見を言い合える関係こそが心理的安全性であり、そのためには時に厳しいフィードバックも必要になる、という指摘には目が覚める思いがしました。
④「部下の成長は、上司の”問いの質”で決まる」
本書全体を通して繰り返し出てくるのが、「良い問いを立てられる上司かどうか」という視点です。答えを教えるのではなく、部下が自分で気づけるような問いを投げかける。この視点を持ってから、1on1での自分の話す量が明らかに減り、部下が話す時間が増えたように感じています。
読み終えての決意・変化
読み終えてから、部下に何かを指摘するとき、まず「どう思う?」と一度問いかけるようにしています。すぐに答えを言いたくなる衝動を抑えるのは正直まだ難しいですが、部下自身の口から答えが出てくると、こちらが教えるよりもずっと定着が早いことを実感するようになりました。
締めくくり
初めて部下を持ち、「教え方」に自信が持てずに悩んでいる方には、この本をぜひ手に取ってほしいと思います。似たタイトルフォーマットの別書籍と混同しやすいですが、世界最先端の人材開発の知見を、自分のチームで試してみたいと思わせてくれる一冊です。
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