些細な一言でいちいち心がすり減ってしまう人へ、気にしすぎる自分をゆるめる一冊『いちいち「すりへらない」心が手に入る本』(山根洋士)を読んで反応する前に一呼吸置けるようになった理由
誰かの何気ない一言が、いつまでも頭から離れませんか
上司からのちょっとしたひと言、同僚の素っ気ない返信、LINEの既読スルー。本人はきっと何も気にしていないのに、僕はそれを何時間も、時には何日も引きずってしまうタイプでした。「さっきの言い方、もしかして怒ってた?」「あの態度、自分が何かしたせいかな」と、頭の中で勝手に会議を続けてしまう。仕事が終わって家に帰っても、ベッドに入っても、その日あった些細なやり取りがぐるぐる再生され続けて、気づけばくたくたに疲れている。そんな自分に、もうずっと悩まされてきました。
そんなときに手に取ったのが、メンタルコーチとして活動し、一般社団法人メンタルノイズ心理学協会の会長も務める山根洋士さんの『いちいち「すりへらない」心が手に入る本 つい「気にしすぎて疲れてしまう」あなたに』です。
※似たタイトルの書籍として、内藤誼人さんが書かれた『いちいち気にしない心が手に入る本』という一冊が同じ王様文庫から出版されていますが、これは著者もまったく異なる別の本です。今回ご紹介するのは、山根洋士さんによる『いちいち「すりへらない」心が手に入る本』であることをあらかじめお伝えしておきます。
本の紹介
この本の面白いところは、「気にしすぎるのをやめましょう」という精神論で終わらないところです。著者は、僕たちが必要以上に傷ついたり疲れたりする原因を、出来事そのものではなく、無意識に持っている思い込みのパターン――著者はこれを「メンタルノイズ」と呼んでいます――にあると説明します。ノイズの存在に気づき、その正体を知ることさえできれば、反応の仕方は少しずつ変えていける、という実践的な内容になっています。単なる知識ではなく、日常のちょっとした場面で「あ、今ノイズが出た」と気づくためのワークが用意されているのが、この本の一番の強みだと感じました。
心に残った言葉・要点
①「疲れる」の正体は出来事ではなく「意味づけ」
本書でまず突きつけられたのが、僕たちを疲れさせているのは、起きた出来事そのものではなく、その出来事に僕たちが勝手に付け加えている「意味づけ」だという指摘でした。「既読スルーされた」という事実そのものは、本当は何の感情も持っていません。そこに「嫌われたかもしれない」という意味を付け加えているのは、いつも自分自身だったのです。
これを読んで、僕はハッとしました。これまで「相手の態度のせいで疲れている」と思い込んでいましたが、実際は自分が頭の中で作り出したストーリーに、自分自身で消耗させられていたのだと気づかされたのです。出来事と意味づけを切り離して考えるようになってから、「これは事実か、それとも自分の解釈か」と一呼吸置いて考えるクセがつきました。
②「察してほしい」も「察しなきゃ」も同じノイズ
もうひとつ印象的だったのが、「相手の気持ちを察するべきだ」という思い込みと、「自分の気持ちを察してほしい」という思い込みは、実は同じメンタルノイズの表と裏だという指摘です。どちらも、言葉にせず察し合うことを美徳とする考え方が根っこにあり、そのぶん、察し損ねたときのすれ違いや消耗も大きくなってしまうというのです。
僕自身、「言わなくてもわかってほしい」と心のどこかで期待しながら、同時に相手の顔色を読むことにも神経をすり減らしていたことに気づきました。本当に伝えたいことがあるなら、察してもらうのを待つよりも、言葉にして伝えたほうがずっと早いし、お互いに疲れずに済む。当たり前のようで、僕にはできていなかったことでした。
③ノイズは「消す」のではなく「見える化」すればいい
本書は、メンタルノイズそのものをゼロにしようとはしていません。むしろ、長年かけて身についた思考のクセを完全になくすのは難しいという前提に立ち、まずはノイズの存在に気づき、「見える化」することを重視しています。「あ、また『こうあるべき』が出てきたな」と自分で気づけるようになるだけで、反応の仕方が変わってくるという考え方です。
これまで僕は、気にしすぎる自分を「直さなきゃいけない欠点」だと捉えて、余計に自分を責めていました。でも、この本を読んでからは、気にしてしまう自分に気づいた瞬間、それを責めるのではなく、「今、ノイズが出たな」と一歩引いて眺めるようになりました。それだけで、同じ出来事でも心のすり減り方が明らかに軽くなったのを実感しています。
④「すりへらない」とは、鈍感になることではない
最後に心に残ったのが、「すりへらない心」というのは、何も感じなくなる鈍感な心のことではない、というメッセージです。相手の言葉や態度に気づく感受性はそのままに、そこに余計な意味づけを重ねて自分を消耗させることをやめる。それが著者の言う「すりへらない」の本質でした。
これを読んで、僕は「気にしないようにしよう」と無理に感情を抑え込むのをやめました。気づくこと自体は悪いことではなく、そのあとどう受け止めるかを自分で選べるようになることが大事なのだと、考え方が変わったのです。
読み終えての決意・変化
この本を読み終えてから、誰かの一言にモヤッとした瞬間、以前ならそのままぐるぐる考え込んでいたところを、「これは事実か、それとも自分の解釈か」と一度立ち止まって考えられるようになりました。すべての出来事に動じなくなったわけではありませんが、心がすり減るスピードは、以前よりも確実に緩やかになったと感じています。
締めくくり
誰かのひと言が頭から離れない、気にしすぎて毎日ぐったり疲れてしまう――そんな感覚に心当たりのある方には、ぜひこの本を手に取ってみてほしいと思います。気にしすぎる自分を否定するのではなく、そのしくみを知ることから始めてみませんか。
※本サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。
※本サイトは楽天アフィリエイトプログラムの参加者です。
コメントを残す