定年まで指折り数えて働くしかないと思っていた人へ、『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』を読んで人生設計をやり直そうと思った理由
「人生100年時代」と言われても、正直ピンときていませんでした
40歳を過ぎたあたりから、ふと「このまま同じ会社で、同じような仕事を続けて、定年まで走り切れるのだろうか」という漠然とした不安を感じるようになりました。ニュースで「人生100年時代」というフレーズを聞くたびに、なんとなく前向きな響きに感じつつも、心のどこかでは「長く生きる分、長く働かされるだけなんじゃないか」というモヤモヤした気持ちがありました。会社の先輩たちを見渡しても、定年後の人生を具体的にイメージできている人はほとんどいません。そんな時に手に取ったのが、リンダ・グラットンさんとアンドリュー・スコットさんの『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』でした。
本の紹介
本書は、ロンドン・ビジネス・スクールの教授である著者二人が、平均寿命が伸び続ける社会において、これまで当たり前とされてきた「教育→仕事→引退」という3ステージの人生モデルが、もはや通用しなくなりつつあることを、豊富なデータをもとに示していく一冊です。単に「長生きは大変だ」という警鐘にとどまらず、100年という長い時間軸をどう資産として捉え直し、どんな働き方・生き方を選んでいけるのかを、具体的な選択肢とともに提示してくれる内容になっており、2017年に発表された「読者が選ぶビジネス書グランプリ」で総合グランプリを受賞していることでも知られています(受賞公式サイトで発表されている情報です)。
心に残った言葉・要点
①「教育→仕事→引退」という3ステージ人生は、もう前提にならない
本書がまず突きつけてくるのは、これまでの世代が当たり前としてきた「学校を出て、一つの会社で働き、引退する」という直線的な人生設計は、寿命が伸びた社会ではむしろ非現実的になっている、という指摘です。60代で完全に仕事を終え、残りの数十年を年金だけで過ごすという前提自体が崩れつつあると知り、自分がなんとなく思い描いていた「老後」のイメージが、実はもう時代に合っていないのだと気づかされました。
②お金だけでなく「無形資産」も人生の資産である
本書では、貯金や不動産といった「有形資産」だけでなく、健康や人間関係といった「活力資産」、スキルや知識といった「生産性資産」、そして変化に対応する力である「変身資産」という、目に見えない資産の重要性が語られています。僕はこれまで、将来への備えといえばお金のことばかり考えていましたが、健康や人脈、学び続ける姿勢そのものが資産だという視点は、自分の人生設計を根本から見直すきっかけになりました。
③エクスプローラー、独立生産者、ポートフォリオ・ワーカーという新しいステージ
本書では、従来の「就職」だけでなく、自分を探索する期間を持つ「エクスプローラー」、組織に属さず自分の力で稼ぐ「独立生産者」、複数の仕事や活動を同時に持つ「ポートフォリオ・ワーカー」といった、新しい人生のステージが紹介されています。一つの会社に定年まで勤め上げることだけが正解だと思い込んでいた僕にとって、こうした多様なステージを行き来する生き方があってもいいのだと知れたことは、大きな視野の広がりになりました。
④「変身資産」こそが、長い人生を乗りこなす鍵になる
数ある無形資産の中でも特に印象に残ったのが「変身資産」という考え方です。自分自身を客観的に理解し、多様な人的ネットワークを持ち、新しい経験に対して開かれた姿勢でいることが、変化の激しい時代を生き抜くための土台になる、という指摘でした。今の会社・今のスキルに固執することがむしろリスクになり得るという視点は、僕にとって耳の痛い、しかし必要な気づきでした。
読み終えての決意・変化
読み終えてから、僕は「定年までこの仕事を続けられるかどうか」という不安な問いを、「この先、自分はどんな資産を育てていきたいか」という前向きな問いに置き換えるようになりました。すぐに転職や独立を決めたわけではありませんが、休日に新しいスキルを学び始めたり、社外の人とのつながりを意識的に増やしたりと、小さな一歩を積み重ねるようになりました。
さいごに
「人生100年時代」という言葉に、漠然とした不安を感じている方にこそ、本書を読んでみてほしいです。『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』は、長い人生を脅威としてではなく、資産を育てる時間として捉え直すための視点をくれる一冊でした。
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