一つのことに集中できない自分はダメだと思っていた人へ、拡散型の生き方を肯定する一冊『多動力』を読んで自分の特性を武器に変えた理由
一つのことに絞れない自分に、劣等感を感じていませんか
「石の上にも三年」「一つのことを極めてこそ一人前」。子どもの頃からそう言われて育ってきた僕にとって、興味があちこちに移ってしまう自分の性格は、ずっとコンプレックスでした。仕事にのめり込んでいたと思ったら副業に興味が湧き、資格の勉強を始めたと思ったら別の分野が気になってしまう。周りの「一つの専門を極めている人」を見るたびに、自分は何一つ極められない中途半端な人間なんじゃないか、と落ち込んでいました。
そんなときに手に取ったのが、堀江貴文さんによる本書です。タイトルの「多動力」という言葉自体、最初は自分への皮肉のように感じました。しかし読み進めるうちに、それがまったく逆の意味を持つ言葉だと気づかされることになります。
本の紹介
本書は、一つのことに集中し続けることを美徳とする従来の価値観に、真っ向から異を唱える一冊です。複数の分野に同時に興味を持ち、次々と行動範囲を広げていく「多動」という特性こそが、これからの時代を生き抜く力になるという主張が、著者自身の生き方を通して語られています。既に紹介した「頑張る・頑張らない」をテーマにした本とは違い、本書が扱っているのは「どれだけ多くの場所に自分の身を置けるか」という、拡散型の生き方そのものです。単なる価値観の提示だけでなく、なぜ複数のことに手を出す人間が結果的に強いのか、その理屈を具体的なエピソードとともに解説してくれる点が、行動を後押ししてくれる内容だと感じました。
心に残った言葉・要点
①一つの肩書きに縛られる必要はない
「会社員だから」「専門職だから」と、自分を一つの肩書きに押し込めてしまう。この発想そのものが、可能性を狭めているという指摘が印象的でした。本書では、複数の分野に軽々と足を踏み入れる生き方が肯定されており、「一つに絞らなければ半人前」という思い込みを持っていた自分にとって、肩の力がふっと抜けるような感覚がありました。
②興味の赴くままに動くことは、逃げではなく戦略になり得る
飽きっぽさや興味の移ろいやすさは、これまでずっと「継続力のなさ」として自分を責める材料になっていました。しかし本書は、その移ろいやすさこそが新しい掛け合わせを生み出す原動力になり得ると教えてくれます。一つのことを深く極めた人はたくさんいても、複数の分野を同時に持っている人は少ない。だからこそ、そこにオンリーワンの価値が生まれるという発想の転換は、自分の性格を否定せずに済む大きな救いになりました。
③無駄なプライドが、行動のスピードを鈍らせる
新しいことに挑戦するとき、「今さらこんな初歩的なことを聞くのは恥ずかしい」というプライドが、行動を止めてしまう。本書ではそうしたプライドを手放し、まず動いてみることの重要性が繰り返し語られています。完璧に準備してから始めようとするあまり、結局何も始められずにいた自分の癖に、まっすぐ突き刺さる指摘でした。
④我慢して続けることが、必ずしも正解とは限らない
「せっかく始めたのだから最後までやり通すべきだ」という思い込みが、自分をどれだけ縛っていたか、本書を読んで初めて気づかされました。合わないと感じたものはすぐに手放し、興味の湧く方へ次々と動いていく。その身軽さこそが、結果的にチャンスをつかむ確率を上げるのだという考え方は、これまでの「継続は美徳」という価値観を大きく揺さぶるものでした。
読み終えての決意・変化
読んでからは、興味が移り変わることを無理に一つに絞ろうとするのをやめました。今は、複数の分野に少しずつ足を踏み入れながら、それぞれの経験がどこかで結びつく瞬間を楽しみに待つ、という姿勢に変わってきています。一つのことに集中できない自分を責めるのではなく、その特性をどう活かすかを考えるようになったことが、一番大きな変化だと感じています。
さいごに
一つのことに絞れない自分にコンプレックスを感じている方には、ぜひ読んでほしい一冊です。堀江貴文さんの著作の中でも話題のベストセラーとして知られる本書は、拡散型の生き方を肯定してくれる、力強い後押しになってくれるはずです。
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