転職するかどうか1年以上迷い続けていた人へ、『武器としての決断思考』を読んで決められる自分になった理由
情報を集めれば集めるほど、逆に決められなくなっていませんか
転職サイトに登録し、口コミサイトを読み漁り、知人に相談を重ねる。そうやって「もっと情報を集めれば、きっと正しい答えが見えてくるはずだ」と思い込んでいたのに、気づけば1年以上、同じ場所で足踏みを続けていました。情報が増えるほど、むしろ迷いも増えていく感覚があり、「自分は決断力がない人間なんだ」と落ち込んでいた時期に出会ったのが、瀧本哲史さんの『武器としての決断思考』でした。京都大学で行われていた人気講義がもとになっていると知り、意思決定そのものを学び直したくて手に取りました。
本の紹介
本書は、「正解を探す」ことに終始しがちな私たちの思考のクセを指摘し、そもそも正解のない問題に対してどう向き合い、どう決断を下すかという「決断そのものの技術」を、ディベートの考え方をベースに解説しています。単なる心構えの話ではなく、メリット・デメリットの比較や、選択肢を枝分かれさせて検討するディシジョンツリーといった、実際に紙の上で使える具体的な思考の道具として整理されている点が、非常に実践的でした。
心に残った言葉・要点
①「情報を集め続けること」自体が、先延ばしの一種になり得る
本書は、意思決定を先送りにする人ほど「もっと情報が必要だ」と言いがちだが、実際には情報を集める行為そのものが、決断という不安なプロセスから逃げる手段になっていることがあると指摘します。転職サイトを何時間も眺め続けていた自分の行動が、実は「調べているつもり」で「決めることから逃げていた」だけだったと気づかされ、耳が痛くなりました。
②選択肢は「メリット・デメリット」を重み付けして比較する
漠然と長所短所を書き出すだけでなく、それぞれの項目に重要度の重みをつけて比較検討する、という本書の手法は非常に具体的でした。僕はこれまで、頭の中だけで「なんとなくこっちがいい気がする」と結論を出そうとしていましたが、実際に紙に書き出して重みをつけてみると、自分が本当は何を優先したいのかが、はじめてはっきり見えてきました。
③ディシジョンツリーで、決断を枝分かれとして可視化する
一つの決断を下すたびに、その先にまた別の分岐が待っている——という「ディシジョンツリー」の考え方も、本書ならではの視点でした。転職するかどうかという一つの決断だけを重く捉えすぎていた僕にとって、この先も選択は連続していくのだと分かったことで、「今回の決断がすべてを決めてしまう」という過剰なプレッシャーが少し和らぎました。
④「決められない自分」ではなく、「決め方を知らなかった」だけ
本書全体を通じて感じたのは、決断力とは生まれつきの性格ではなく、後から身につけられる技術であるという著者の一貫した姿勢でした。長年「自分は優柔不断な人間だ」と決めつけていましたが、実際には決断のための道具を持っていなかっただけなのかもしれない、と思えたことが、この本を読んで得た一番大きな収穫でした。
読み終えての決意・変化
読み終えてから、僕は迷ったときにまず「これはまだ情報が足りないのか、それとも決断そのものから逃げているのか」を自分に問いかけるようになりました。そのうえで、メリット・デメリットを紙に書き出し、重みをつけて比較する。まだ完璧に使いこなせているわけではありませんが、以前のように延々と情報だけを集め続ける時間は、確実に減りました。
さいごに
大事な決断を前に、情報ばかり集めて足踏みしてしまっている方には、ぜひ本書を読んでみてほしいです。『武器としての決断思考』は、京都大学での講義をもとに、決断そのものを技術として学び直せる一冊でした。著者の瀧本哲史さんは2019年に亡くなられていますが、本書に込められた「決める力は誰でも鍛えられる」というメッセージは、今もなお色あせずに読み継がれています。
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