『買わない生活』

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「まだ使えるのに」と物を手放せなかった僕が、『買わない生活』を読んで買わない選択に自由を感じた理由

クローゼットの奥に、一度も使わなかったものが眠っていませんか

引っ越しの荷造りをしていたとき、段ボールの中から一度も袖を通していない服や、使わないまま眠っていた家電がいくつも出てきました。セールで安かったから、便利そうだったから、そんな理由でつい買ってしまったものばかりです。「もったいないから」と手放せずに持ち続けていたはずなのに、実際には一度も活躍しないままただ場所を占領していただけでした。物が増えるたびに部屋も心も少しずつ窮屈になっていく感覚があり、荷造りをしながら自分の消費の癖に嫌気がさしていました。

そんなときに読んだのが、元朝日新聞記者で「アフロ記者」としても知られる稲垣えみ子さんによる本書でした。節約術の本かと思って読み始めましたが、内容はもっと根本的な、モノとの向き合い方そのものを問い直すエッセイでした。

本の紹介

本書は、家電や持ち物を極限まで減らして暮らしてきた著者が、「買わない生活」の中で見えてきた気づきを綴った一冊です。節約や我慢のノウハウ本ではなく、買わない選択によってむしろ自由になっていく感覚を、著者自身の実体験を通して伝えてくれる内容です。エッセイならではの軽やかな筆致でありながら、読み進めるうちに自分の消費習慣を静かに問い直させられる、不思議な説得力がありました。

心に残った言葉・要点

①買わないことは「我慢」ではなく「自由」

本書が繰り返し伝えているのは、買わないという選択が窮屈な我慢ではなく、むしろ身軽さと自由をもたらしてくれるという感覚です。「買わない=不便で寂しいこと」だと思い込んでいた僕には、この逆転の発想が新鮮でした。

②「なくても意外と何とかなる」という実感の力

便利だから、あると安心だからと買い足してきたものの多くは、実はなくても意外と困らない。著者が実際に手放していく過程を読むうちに、自分がどれだけ「念のため」で不要なものを増やしてきたかに気づかされました。

③モノを持つことは、モノに管理される側に回ること

持ち物が増えるほど、それを収納し、手入れし、管理する手間も増えていく。本書は、モノを所有することが、実は自分の時間や気力をモノのために差し出すことでもあると気づかせてくれます。増やせば豊かになるという思い込みを、根本から揺さぶられる感覚がありました。

④消費するかどうかを自分で選び直す

広告やセールに促されるまま反射的に買うのではなく、本当に必要かどうかを自分の意思で選び直す。この当たり前のようでいて実践できていなかった姿勢の大切さが、本書を通じて強く伝わってきました。

読み終えての決意・変化

読み終えてから、買い物カゴに入れる前に一度「これは本当に必要か」と自分に問いかける癖がつきました。衝動買いの回数は減り、代わりに手元にあるものを大切に長く使おうという気持ちが強くなった実感があります。

さいごに

「もったいない」と思いながらも物を増やし続けてしまっている方には、ぜひ読んでほしい一冊です。『買わない生活』は、消費を減らすことがむしろ心の自由につながるのだと教えてくれる本でした。

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