変化のない毎日にモヤモヤしている人へ、一歩を踏み出す勇気をくれる一冊『越境人』を読んで新しい景色を見に行こうと思えた理由
こんな毎日を送っていませんか
朝起きて、同じ電車に乗り、同じ会社に着き、同じ席に座る。仕事終わりはいつもの店で、いつもの相手と、いつもの話をする。僕自身、20代の終わりごろにこの「同じ」の繰り返しに息苦しさを感じていた時期がありました。転職しようか、いっそ海外にでも行ってみようか——そんなことを頭の片隅で考えながらも、結局は「今のままでいいか」と、一人旅の航空券すら予約せずに閉じるタブ。変化を求めているはずなのに、変化を選ぶ勇気だけがどうしても出てこない。そんなモヤモヤを何年も抱えていました。
そんなときに手に取ったのが『越境人』です。著者の四方健太郎さんは、鎌倉インターナショナルFCというサッカークラブの代表を務めながら、サッカーワールドカップに出場した32カ国を実際に自分の足で巡る「世界一蹴の旅」を実行した人物です。安定した仕事も、慣れ親しんだ人間関係も一度手放し、自分の知らない場所へ飛び込み続けてきた、まさに「越境」を体現してきた人だと感じました。
『越境人』はどんな本か
この本が優れているのは、単に「海外に行こう」「挑戦しよう」という精神論で終わらないところです。自分の当たり前が通用しない場所に身を置いたときに、人はどう変わるのか、何が見えてくるのかを、著者自身の32カ国を巡った実体験をベースに具体的に描いています。読んでいると、「越境」とは必ずしも海外に行くことだけではなく、いつもと違う部署、初めての業界、慣れない人間関係の輪に飛び込むことも含めた、もっと身近な行為なのだと気づかされます。知識として「一歩踏み出せ」と言われるより、実際に踏み出した人の景色を見せてもらうほうが、よほど背中を押されるものだと感じました。
心に残った言葉・要点
①「境界線は、越えてみるまで見えない」という感覚
自分がどこまでを「安全な範囲」だと無意識に決めているかは、その線を越えてみるまで気づけない、という趣旨の話が印象的でした。僕自身、転職や新しい挑戦を避けていた理由を突き詰めると、明確なリスクというより「なんとなく怖いから」でしかなかったことに気づかされました。線の正体を確かめずに諦めていたのは、もったいなかったと思わされました。
②「知らない場所ほど、自分の輪郭がはっきりする」という気づき
慣れた環境にいると、自分がどんな人間なのか、逆に見えにくくなる。知らない土地、知らない文化の中に身を置いたときこそ、自分の考え方や大事にしているものが浮き彫りになる、という考え方です。これを読んで、僕が今の環境に居続けている理由の一つが「自分を見つめ直すのが怖いから」でもあったのかもしれないと感じました。
③「準備が整うのを待っていたら、一生越境できない」という覚悟
完璧な計画や十分な貯金、周囲の理解がすべて揃ってから動こうとすると、いつまでも動けない。著者が32カ国を巡る旅に出た時も、すべての条件が整っていたわけではなかったという趣旨のエピソードには、勇気づけられるものがありました。「準備ができたら」を言い訳にしていた自分に、静かに問いかけられている気がしました。
④「越境した人にしか見えない景色がある」という実感
実際に一歩を踏み出した人だけが語れる景色、というものが確かにあるのだと、本を読み進めるうちに実感しました。行かなかった人が想像で語る世界と、行った人が肌で感じた世界は、同じ言葉で表現されていても中身がまったく違う。だからこそ、想像だけで「どうせこんなものだろう」と決めつけるのはやめようと思えました。
読み終えて変わったこと
読み終えたあと、僕はすぐに転職や海外移住を決意したわけではありません。ですが、まずは「今の部署以外の仕事にも興味があると周囲に伝えてみる」「行ったことのない土地に週末だけ足を運んでみる」という、小さな越境から始めてみようと思えるようになりました。大きな決断でなくていい、まずは自分が引いていた境界線に気づき、その線を少しだけ踏み越えてみる。それだけでも、見える景色は変わってくるはずだと感じています。
同じモヤモヤを抱えるあなたへ
毎日が「同じ」の繰り返しで、心のどこかがくすぶっている。そんな感覚に覚えがあるなら、ぜひ『越境人』を手に取ってみてください。派手な冒険譚としてではなく、自分の中の境界線に気づかせてくれる一冊として、静かに背中を押してくれるはずです。
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