考えても仕方のないことで頭がいっぱいになる人へ、堂々巡りの不安を手放す一冊『科学が解明した 悩んでもしょうがないことリスト』を読んで気持ちが軽くなった理由
大事なプレゼンを終えた夜、布団に入ってからも「あの言い回しはまずかったかもしれない」「上司はどう思っただろう」と、もう変えようのないことを何度も頭の中で再生してしまう夜がありました。結果は明日にならないとわからないのに、悪い未来ばかり想像して寝つけない。「考えても仕方ない」と自分でわかっているのに、どうしても止められない。そんな堂々巡りの不安とどう付き合えばいいのか分からずにいたときに出会ったのが『科学が解明した 悩んでもしょうがないことリスト』でした。
著者の石川幹人さんは、明治大学教授で認知科学・進化心理学を専門とする研究者です。精神論や気合いで「気にするな」と言うのではなく、なぜ人間の脳がコントロールできないことまで延々と心配してしまうのか、その仕組みを科学的に解き明かしたうえで、「悩んでもしょうがないこと」を手放すための考え方を教えてくれる一冊です。
本の紹介
本書のいちばんの特徴は、「気にしない」ことをただの精神論として勧めるのではなく、進化心理学・認知科学の知見を土台に「なぜ悩んでしまうのか」を説明してくれる点にあります。人間の脳がもともと危険を先読みするようにできていることや、コントロールできない不安に脳のエネルギーを使ってしまう仕組みを理解することで、「悩んでいる自分はおかしいわけではない」と納得したうえで、悩みを手放す具体的な思考の手順に進めるようになっています。単なる慰めではなく、行動に移せる形で「考えなくていいこと」を整理させてくれるところに実践的な価値を感じました。
心に残った言葉・要点
①「人間の脳は、そもそも『心配性』にできている」
大昔、危険を先読みして警戒していた人ほど生き延びやすかったため、私たちの脳には「起こるかどうかわからないことまで心配してしまう」性質が刻み込まれている、という指摘です。夜中に不安で眠れなくなるのは自分の性格が弱いからだと思い込んでいましたが、それが人間の脳に共通する仕組みだと知り、まず「自分がおかしいわけではない」と肩の力が抜けました。
②「考えても行動が変わらないなら、それは『悩み』ではなく『反すう』」
同じことを繰り返し考えても、次の行動が何も変わらないなら、それは建設的に「悩んでいる」のではなく、ただ同じ不安をぐるぐる再生する「反すう」にすぎないという区別が印象的でした。プレゼンの結果を何度考え直しても、明日までにできることは変わらない。この線引きを知ってから、夜中に考えごとが始まったとき「これは反すうだ」とラベルを貼って、意識的に思考を止める練習をするようになりました。
③「不安は『事実』ではなく、脳が作り出す『可能性の一つ』にすぎない」
最悪の未来を想像すると、脳はまるでそれがもう起きた出来事であるかのように扱ってしまいますが、実際にはそれは無数にある可能性のうちのひとつでしかない、という説明にはっとさせられました。それ以来、不安な想像が浮かんだときは「これは事実じゃなくて、脳が作った一つの可能性にすぎない」と自分に言い聞かせるようにしています。
④「『悩んでもしょうがないこと』は、思い切って一覧化してしまえばいい」
頭の中だけで悩みを抱えていると、コントロールできることとできないことが混ざり合ってしまいます。本書では、悩みを紙に書き出し、「自分で変えられること」と「自分にはどうにもできないこと」に仕分けることを勧めています。実際にやってみると、夜中に頭を占めていた悩みの大半が後者に分類され、「これは考えても仕方がないんだ」と客観視できるようになりました。
読み終えての決意・変化
この本を読んでから、不安な考えが頭に浮かんだときは、まず「これは今の自分に変えられることか」と自問するようにしています。変えられないと分かったら、無理に答えを出そうとせず、いったん脇に置く。完全に悩まなくなったわけではありませんが、同じ不安を何時間も引きずることは明らかに減りました。
締めくくり
コントロールできないことまで、つい頭の中で何度も考えてしまう。そんな自分を責めていた方に、この本をおすすめしたいと思います。精神論ではなく、科学的な根拠をもとに「悩んでもしょうがない」と納得できることは、思っている以上に気持ちを軽くしてくれるはずです。
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