気づけば今年ももう終わりそう、と焦ってしまう人へ。自分の時間を取り戻す一冊『人生は気づかぬうちにすぎるから。』を読んで、予定を人に明け渡すのをやめた理由
😮💨 「今年ももうこんな時期か」と毎年同じセリフを言っていた
実家に帰るたびに、姪っ子の背丈にびっくりする。「え、もうそんなに大きくなったの」と毎回同じセリフを口にしている自分に気づいて、正直ちょっと怖くなったことがある。姪っ子が大きくなった分だけ、自分も同じ速さで歳を取っているはずなのに、その実感がまるでない。気づいたら桜が咲いて、気づいたら夏が終わって、気づいたら忘年会の予定を入れている。手帳のページはめくれていくのに、「自分がその時間で何をしたか」という記憶がびっくりするくらい薄い。
当時の僕の手帳は、自分の予定というより「他人からの依頼が並ぶ場所」になっていた。上司に頼まれた仕事、友人に誘われた飲み会、なんとなく断りづらかった集まり。全部悪いことじゃないし、頼られること自体は嬉しい。でも気づけば1日のスケジュールのほとんどが「誰かの都合」で埋まっていて、「自分がしたかったこと」がどこにも入っていなかった。そんなときに手に取ったのが、時間術・ライフスタイル系の著作で知られるクリス・ギレボーの新刊『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』だった。
📖 「予定を詰め込む技術」ではなく「自分を最初に置く技術」の本
この本が良かったのは、単なるタスク管理・効率化のテクニック集ではなかったところだ。「もっと予定を詰め込んで生産性を上げよう」という本ではなく、「そもそも、その予定は誰のためのものか」を問い直させる本だった。時間が足りないのは、能力や意志の問題ではなく、多くの場合「自分の優先順位を後回しにする癖」が原因だという視点は、読んでいて何度もドキッとさせられた。知識として知るだけでなく、「じゃあ今週、何を先に手帳に書き込むか」という行動レベルにまで背中を押してくれる内容だったのが、他の時間術本と少し違うと感じたポイントだ。
①「空いている時間」ではなく「確保する時間」
本書で最初に価値観を揺さぶられたのが、自分の時間は”余った分”で確保するものではなく、最初から予定として”確保する”ものだという考え方だった。僕はずっと、仕事や人付き合いの予定を先に埋めて、余った隙間時間で自分のやりたいことをやろうとしていた。でも隙間時間なんて、たいてい疲れ切っていて何もする気力が残っていない。この本を読んで、まず月曜の朝に「今週、自分のために確保する時間」を先に手帳に書き込むようにしてみた。それだけで、その時間を守ろうという意識が自然に働くようになったのは、自分でも驚いた変化だった。
②「いい人」でいることと、「自分を後回しにすること」は違う
もうひとつ刺さったのが、他人からの頼みごとを断れないのは、優しさではなく「自分の時間の価値を自分で軽く見積もっているだけかもしれない」という指摘だった。僕は昔から、頼まれごとを断ると相手にがっかりされるのが怖くて、あまり深く考えずに引き受けてしまうタイプだった。でも本書を読んでからは、引き受ける前に「これは本当にやりたいことか、それとも断りづらいだけか」を一呼吸置いて自問するようになった。全部を断れるようになったわけではないけれど、少なくとも「なんとなく」で予定を埋めることは明らかに減った。
③ 死ぬときに後悔するのは「やったこと」より「やらなかったこと」
本書では、人生の終わりを意識したときに人が後悔しやすいのは、挑戦して失敗したことよりも、「やりたかったのに、日々の忙しさを言い訳にしてやらなかったこと」だという趣旨の話が紹介されている。これは自己啓発書ではよく見る切り口だと思っていたけれど、時間術という文脈で言われると重みが違った。僕は「いつかやりたいこと」リストを持ってはいたものの、いつも「今は忙しいから」で先送りにしていた。この本を読んでからは、リストの中から1つだけでも今月中に着手する、というルールを自分に課すようにした。
④「自分第一」は自己中心とは違う
タイトルにもなっている「自分第一」という言葉について、本書は「わがままになれ」という意味では使っていない。自分の時間・エネルギーを大切に扱えている人ほど、結果として周囲にも余裕を持って優しくできる、という趣旨の考え方が紹介されていた。僕は「自分を優先する=誰かを犠牲にする」というイメージをどこかで持っていたけれど、実際には逆で、自分の時間を粗末に扱っているときほど、余裕がなくなって周りにイライラをぶつけてしまっていたことに気づかされた。
💡 読み終えて、僕が変えたこと
読み終えて一番変わったのは、「忙しさ」を言い訳にして自分の時間をなあなあにする癖に、自分で気づけるようになったことだ。全ての予定を思い通りにコントロールできているわけではないし、今も誰かに頼まれて予定を調整することはある。それでも、手帳を開いたときに「これは誰の予定か」を一瞬でも意識するようになっただけで、1年の過ぎ方の体感速度が、前より少しだけ緩やかになった気がしている。
📚 「気づいたら今年も終わっていた」を繰り返したくない人へ
もし今、1年があっという間に過ぎていく感覚に焦りを感じているなら、それは怠けているからではなく、自分の時間を誰かに明け渡す癖がついているだけかもしれない。『人生は気づかぬうちにすぎるから。』は、そんな癖に気づかせてくれる、静かだけれど背中を押してくれる一冊だった。同じような焦りを抱えている人に、ぜひ手に取ってみてほしい。
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