『メモの魔力』

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会議でメモを取っているのに何も身についていない人へ、思考を武器に変える一冊『メモの魔力』を読んで書く習慣を根本から変えた理由

「メモは取っているのに、何も残っていない」と感じたことはありませんか

打ち合わせのたびに手帳を開き、言われたことをせっせと書き留めてきました。でも後で見返すと、そこにあるのはただの議事録。誰かの発言をそのまま書き写しただけで、自分の考えが一つも乗っていないことに気づいたのは、転職活動で「あなたの強みは何ですか」と聞かれ、答えに詰まった夜のことでした。手帳は何冊もあるのに、自分がどんな人間で、何を大事にしてきたのか、まるで言葉にできなかったのです。

そんなときに手に取ったのが、SHOWROOM代表・前田裕二さんの『メモの魔力』でした。ただの「メモ術の本」だと思って読み始めましたが、実際は「メモを通して自分を知り、行動につなげる」ための思考のトレーニング本でした。

本の紹介

本書のいちばんの核は、「事実→抽象化→転用」という一貫したフレームワークにあります。目の前で起きた出来事(ファクト)をただ記録するのではなく、「これはつまりどういうことか」を抽象化し、さらに「では自分の仕事や人生にどう使えるか」まで踏み込んで考える。これまで「書く系」の本を何冊か読んできましたが、本書はノートの取り方そのものよりも、思考を一段深く掘る「型」を教えてくれる点が際立っていました。単なる記録術ではなく、日常の些細な気づきをアイデアや自己理解にまで転化させる実践的な武器として、メモを位置づけ直してくれる内容です。

なお本書は発売2日で17万部を突破し、2020年1月時点で累計46万部を超えるベストセラーとなり、2019年のビジネス書年間ランキングでも1位を獲得したと出版社(幻冬舎)が発表しています(いずれも2020年時点の数値であり、現在の最新の累計部数ではない点はご留意ください)。

心に残った言葉・要点

①「事実」だけを書いても意味がない

本書はまず、会議やニュースで見聞きした「事実(ファクト)」をそのままメモすることを、思考の第一段階に過ぎないと位置づけます。多くの人はここで止まってしまう、と。僕もまさにそうで、事実を書いた時点で「メモした気」になっていました。しかしそれは思考のスタートラインに立っただけで、まだ何も生み出していない状態なのだと気づかされました。

②抽象化とは「一段上の視点」で問いを立てること

事実を「What(何が起きたか)」で終わらせず、「Why(なぜそうなったのか)」「What(そこから言える法則は何か)」まで掘り下げる。これが本書の言う「抽象化」です。ある成功事例をただ真似するのではなく、その裏にある構造を抜き出して初めて、別の場面にも使える知恵になる。この考え方に出会ってから、僕は人の失敗談を聞くときも「自分ならどう転用できるか」を必ず一言添えてメモするようになりました。

③「転用」してこそ、メモは行動に変わる

抽象化した気づきを、実際に自分の仕事や生活の具体的な行動に落とし込む。この最後の「転用」のステップがあるからこそ、メモはただの記録ではなく武器になる、と本書は説きます。僕はこれまで「なるほど」と思った瞬間で満足していましたが、そこから「じゃあ明日から何を変えるか」まで一行書き足すだけで、学びの定着度がまるで違うことを実感しました。

④自分に向き合う「自己分析」もメモで深掘りできる

本書の後半では、自分の過去の経験や価値観を掘り下げる自己分析のワークも紹介されています。「なぜ自分はこの仕事にやりがいを感じるのか」を何度も「なぜ」で問い直していく作業は、正直かなり骨が折れました。ですが、あの転職面接で答えに詰まった自分の弱さの正体が、少しずつ言葉になっていく感覚がありました。

読み終えての決意・変化

読み終えてから、僕のメモ帳は「事実」「抽象化」「転用」の3列に分けて書くスタイルに変わりました。会議の議事録も、雑談で聞いた話も、必ず「これは何を意味するか」「自分ならどう使うか」まで書き添えるようにしています。まだ完璧にはほど遠いですが、以前よりも自分の頭で考えた形跡がノートに残るようになったと感じています。

さいごに

「メモは取っているのに、自分の言葉が育っていない」と感じている方には、ぜひ本書を手に取ってほしいです。『メモの魔力』は、記録の技術ではなく、事実から自分だけの気づきを生み出す思考の型を教えてくれる一冊でした。

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