頑張って資料を作り込んだのに「そもそも論点がずれてる」と言われた人へ、問題の立て方を鍛え直す一冊『イシューからはじめよ』を読んで仕事の進め方を変えた理由
「量」で勝負しているのに、なぜか評価されないと感じていませんか
締め切り前、誰よりも早く出社してデータをかき集め、スライドを何十枚も作り込みました。自分では「これだけ頑張ったんだから」と自信を持って臨んだ会議で、上司から返ってきた一言は「で、結局何が言いたいの?そもそも、それって今議論すべきことなんだっけ」でした。徹夜で作った資料が、根本から的外れだったと知ったときのショックは今でも覚えています。がむしゃらに手を動かすことと、成果を出すことは、まったく別物なのだと思い知らされた出来事でした。
そんなときに先輩から勧められたのが、安宅和人さんの『イシューからはじめよ[改訂版]』でした。「とにかく手を動かせ」が正解だと思い込んでいた僕にとって、タイトルからしてすでに衝撃的でした。
本の紹介
本書が一貫して説くのは、「がむしゃらな努力」より先に、「そもそも今、何を明らかにすべきなのか(イシュー)」を見極めることの重要性です。世の中の多くの仕事は、実は解く価値のない問題に大量の時間を費やしてしまっている、と本書は指摘します。単なる思考のノウハウ本ではなく、「どこに力を注ぐべきか」という意思決定そのものを鍛える構成になっている点が、他の生産性本とは一線を画すところだと感じました。学び方や知識のインプット法を扱う本とは異なり、本書はあくまで「問いの立て方」そのものに焦点を当てています。
なお本書はシリーズ含め累計50万部を超え、旧版と合算すると65万部に達するとも言われていますが、いずれも出版社の一次発表そのものまでは確認できていない情報のため、正確な数字というよりは「広く読まれてきたロングセラー」という受け止め方が適切だと思います。
心に残った言葉・要点
①「イシュー度」と「解の質」という2つの軸
本書は仕事の価値を、「そもそも今それを明らかにする必要があるか(イシュー度)」と「どれだけ質の高い答えを出せるか(解の質)」という2軸で捉えます。どんなに解の質が高くても、イシュー度が低ければ意味がない。僕はずっと「解の質」だけを上げようと必死になっていましたが、そもそも解くべき問いを間違えていたら意味がないという当たり前の事実に、今さらながら気づかされました。
②「悩む」と「考える」はまったくの別物
本書は「悩む」を答えの出ない堂々巡り、「考える」を答えに向かって前進する行為として明確に区別します。僕はこれまで、机の前で唸っている時間を「考えている時間」だと勘違いしていました。しかし実際には、それは思考停止して悩んでいるだけの時間だったのだと突きつけられ、耳が痛くなりました。
③「犬の道」を避けよ
本書は、根性論的に量をこなして解決しようとするやり方を「犬の道」と呼び、これを強く戒めています。最初にイシューを見極めずに走り出すと、どれだけ努力しても消耗するだけで、成果にはつながりにくいというのです。徹夜で作った資料が的外れだった自分の経験が、まさにこの「犬の道」そのものだったと重なって見えました。
④答えは「ストーリーライン」で伝わる
本書は、良い分析も伝え方(ストーリーライン)が悪ければ相手に届かないと説きます。結論に至る流れを一本の筋として組み立てる訓練を経て、僕は資料を作る前に、まず「相手に何を持ち帰ってほしいか」を一文で書き出す習慣を持つようになりました。
読み終えての決意・変化
読み終えてから、僕は資料作りに取りかかる前に「このイシューは、今本当に解くべき問いか」を自分に問い直すようになりました。手を動かす前に一旦立ち止まる、そのひと呼吸だけで、無駄な作業がかなり減った実感があります。
さいごに
「頑張っているのに、なぜか評価されない」と感じている方には、ぜひこの本を手に取ってほしいです。『イシューからはじめよ』は、努力の量ではなく、そもそも何を問うべきかという視点を教えてくれる一冊でした。
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