頼まれると断れずにキャパオーバーになる人へ、心地いい距離感を「つくる」技術を教えてくれる一冊『しんどい人間関係に境界線をつくる』を読んで人間関係が楽になった理由
先輩から急ぎでもない相談を持ちかけられるたびに、自分の作業を止めて付き合ってしまう。友人からの誘いを断りたいのに、「冷たい人だと思われたくない」という気持ちが勝って、結局いつも予定を合わせてしまう。そんな経験はないでしょうか。
僕自身、頼まれごとを断れずに、気づけば自分のための時間がほとんど残っていないという時期がありました。相手に踏み込まれても嫌な顔ひとつせず、むしろ「頼ってもらえるのはありがたいことだ」と自分に言い聞かせていたのですが、あるとき限界がきて、何に対しても無気力になってしまったことがあります。そんなときに出会ったのが、長谷川俊雄さんの『しんどい人間関係に境界線をつくる 心地いいバウンダリー』でした。
本の紹介
「バウンダリー(境界線)」という言葉を、著者は社会福祉学の専門家としての知見をもとに解説しています。ここでいう境界線とは、相手を遠ざけるための壁ではなく、自分と相手がお互いに心地よくいられるための線引きのこと。人との距離を「かわす」のではなく、自分から主体的に「つくっていく」実践に重きを置いているのが、本書の大きな特徴です。単に距離を取る技術というより、自分の心の状態に気づき、それを相手に伝えていくためのプロセスが丁寧に描かれています。
心に残った言葉・要点
①バウンダリーは壁ではなく「橋」
境界線というと、相手をシャットアウトするイメージを持っていましたが、本書ではむしろ健全な関係を長く続けるための「橋」として描かれています。壁を作って関係を断つのではなく、お互いが気持ちよく付き合い続けるための土台だと知り、境界線を引くことへの罪悪感がかなり和らぎました。
②「NO」と言うことは相手を拒絶することではない
頼まれごとを断ることを、相手そのものを拒絶する行為だと思い込んでいた自分に気づかされた一節です。本書は、断ることと相手を否定することはまったく別物だと繰り返し伝えてくれます。「今回はできない」と伝えることは、相手との関係を壊すことではなく、むしろ関係を長く健全に保つための必要な行為なのだと捉え直すことができました。
③境界線は一度引いたら終わりではなく、都度調整するもの
境界線は固定されたルールではなく、相手や状況に応じて何度でも引き直していいものだという考え方も印象的でした。一度「これでいい」と決めたら守り通さなければいけないと思い込んでいたのですが、そのときどきの自分の状態に合わせて柔軟に調整していいのだと知り、境界線を意識すること自体のハードルがぐっと下がりました。
④自分の感情に「ここまでは大丈夫、ここからはしんどい」と気づく
境界線を引く前提として、まず自分自身が「どこからしんどいと感じているか」に気づくことの大切さが語られています。僕はこれまで、しんどさを感じてもそれを無視して我慢することが当たり前になっていましたが、しんどいと感じた瞬間を見逃さずに言葉にすることが、境界線をつくる第一歩なのだと教えられました。
読み終えての決意・変化
この本を読んでから、頼まれごとに即答するのをやめ、「少し考えさせてほしい」と一呼吸置く習慣をつけました。断ることに罪悪感を持ちすぎず、「今回はここまで」と自分の中で線を引けるようになったことで、以前より人付き合いに疲れにくくなったように感じています。相手を拒絶しているわけではなく、むしろ長く良い関係を保つための準備をしているのだと思えるようになったのが、一番の変化です。
締めくくり
頼まれごとを断れずにキャパオーバーになりがちなら、あなたに足りないのは我慢強さではなく、心地いい境界線をつくる技術かもしれません。人間関係を諦めるのではなく、無理なく続けていくための一冊として、ぜひ手に取ってみてください。
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