「自分の可能性はここまでだ」と諦めていた僕が、『HIDDEN POTENTIAL 可能性の科学』を読んで伸びしろを信じ直した理由
「才能がある人はやっぱり違う」と感じていませんか
入社した頃から要領がよく、あっという間に成果を出す後輩を見て、「自分にはああいうセンスがないんだな」と静かに諦めてしまったことがあります。新しい業務を覚えるスピードも、プレゼンの上手さも、明らかに向こうが上。研修でも同じ内容を教わったはずなのに、なぜここまで差がついてしまうのか分かりませんでした。努力してもこの差は縮まらないんじゃないか、自分の伸びしろはもうこの辺りが限界なんじゃないか。そんな漠然とした劣等感を抱えたまま、なんとなく無難に働く日々が続いていました。
そんなときに書店で目に留まったのが、組織心理学者アダム・グラントによる本書でした。「限界は、まだ先にある」という副題に、正直半信半疑でページをめくり始めました。
本の紹介
本書は、スタートの時点での能力(才能)よりも、そこからどれだけ伸びるか(成長の幅)にこそ本当の価値があるという主張を、豊富な事例とデータで裏づけていく一冊です。単に「頑張れば伸びる」という精神論ではなく、伸びる人がどんな仕組みや習慣を持っているのかを具体的に分解して見せてくれるところに、他の自己啓発書とは違う説得力がありました。個人の努力論にとどまらず、周囲の環境やチームのあり方にまで踏み込んでいる点も印象的で、マネジメントの視点からも学びの多い内容でした。
心に残った言葉・要点
①才能ではなく「性格的スキル」が可能性を決める
本書がまず強調するのは、生まれつきの認知能力よりも、粘り強さや誠実さ、周囲と協調する力といった「性格的スキル」こそが、後の成長を大きく左右するという視点です。これらは訓練によって後天的に伸ばせるものだと本書は説きます。僕はずっと「地頭の良さ」で人の可能性を判断していましたが、そもそも見るべき軸が違ったのかもしれないと気づかされました。
②足場(スキャフォールディング)は、外すためにある
最初は手厚いサポートや型を与えてもらいながら学び、やがてその支えを自分の意思で外していく。このプロセスを本書は「足場」というたとえで説明しています。いつまでも支えに頼っていては本当の実力はつかない、という当たり前のようで見落としがちな指摘に、自分がまだ会社の仕組みやマニュアルに甘えている部分があることを思い知らされました。
③あえて「居心地の悪い練習」に踏み込む
得意なことばかり繰り返していても、成長のカーブはすぐに緩やかになっていく。本書は、あえて不慣れで居心地の悪い状況に自分を置き続けることの重要性を説きます。僕はこれまで、失敗しそうな場面や苦手な会議での発言を無意識に避けてきました。しかし居心地の悪さこそが伸びしろのサインだと考えると、避けてきた場面にこそ次のステップがあるのだと視点が変わりました。
④一人の努力より「周りが可能性を引き出す仕組み」
本書は個人の頑張りだけでなく、チームや組織がどうすればメンバーの潜在能力を引き出せるかにも多くのページを割いています。誰かの挑戦を安易にジャッジせず、うまくいかない過程そのものを支える環境づくりが重要だという指摘は、自分がリーダーや先輩の立場になったときの振る舞い方を考え直すきっかけになりました。
読み終えての決意・変化
読み終えてから、僕は後輩と自分を「今の実力」で比べることをやめました。代わりに、半年前の自分と今の自分を比べて、伸びているかどうかを基準にするようにしています。居心地の悪い仕事も、以前より前向きに引き受けられるようになった実感があります。
さいごに
「自分には才能がないから」と可能性に蓋をしてしまいそうになっている方には、ぜひ手に取ってほしい一冊です。『HIDDEN POTENTIAL 可能性の科学』は、スタート地点ではなく、そこからどれだけ伸びられるかに目を向け直させてくれる本でした。
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