『GIVE & TAKE』

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「人がいいだけでは損をする」と思っていた人へ、与える人こそ成功するというデータを見せてくれた一冊『GIVE & TAKE』を読んで働き方の軸を変えた理由

頼まれごとを断れず、損ばかりしている気がしていませんか

同僚の仕事を手伝い、後輩の相談に乗り、頼まれれば断れずに引き受けてしまう。そんな自分を、心のどこかで「都合よく使われているだけなんじゃないか」と思っていました。周りを見渡すと、要領よく人に頼み、自分の成果だけをきっちり主張する人のほうが評価されているように見えて、「与える人間」でいることに、正直疲れを感じ始めていた時期がありました。

そんなときに出会ったのが、組織心理学者アダム・グラントによる『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』でした。著者は、後に日本でも紹介された『HIDDEN POTENTIAL 可能性の科学』を書いた同じ研究者で、本書はその代表作にあたる一冊です。「与える人が成功する」というタイトルに、半信半疑どころかむしろ懐疑的な気持ちでページを開いたのを覚えています。

本の紹介

本書は、人間関係における振る舞いを「ギバー(与える人)」「テイカー(受け取る人)」「マッチャー(バランスを取る人)」という3つのタイプに分類し、豊富な研究データと事例をもとに、実は長期的に成功をつかんでいるのはギバーである、という一見直感に反する事実を丁寧に描き出していきます。単なる「人には親切にしよう」という道徳的なメッセージではなく、なぜギバーが成功しやすいのか、そしてなぜ一部のギバーは損をして終わってしまうのかまで、構造的に解き明かしている点が読みごたえのある一冊でした。

心に残った言葉・要点

①成功の「底辺」にも「頂点」にもギバーがいる

本書がまず提示するデータは衝撃的でした。成果の低い層に最も多いのがギバーである一方、成果の高い層にもまた最もギバーが多い、という逆説的な結果です。つまり「与えること」自体が悪いのではなく、与え方に問題があるだけなのだと知り、これまで「与える自分」を否定的に見ていた考え方が変わりました。

②テイカーは短期で勝ち、長期で負ける

本書は、テイカーが短期的には周囲を出し抜いて評価を得やすい一方、長期的には信頼を失い、孤立していく傾向があるとデータで示します。目の前の評価に一喜一憂していた僕にとって、「今の得より、これから積み上がる信頼のほうが資産になる」という視点は、焦りを少し和らげてくれるものでした。

③「5分間の親切」が信頼の連鎖を生む

本書で紹介される「5分間の親切」という考え方は、大きな見返りを求めず、ちょっとした頼まれごとに5分だけ協力する、というシンプルな行動指針です。壮大な自己犠牲ではなく、この小さな単位の親切こそが人間関係の中で信頼を積み重ねていく、という説明に、自分にも今すぐ実践できる余地があると感じました。

④燃え尽きるギバーと、成功するギバーの違い

本書は、すべてのギバーが成功するわけではなく、自分を犠牲にしてまで与え続ける人は疲弊し燃え尽きてしまうと警鐘を鳴らします。一方で、成功するギバーは、他者の利益を大切にしながらも自分の利益を軽視しない「他者志向」のバランスを持っている。これまで頼まれごとを断れず疲弊していた自分に足りなかったのは、まさにこの「自分を守る線引き」だったのだと気づかされました。

読み終えての決意・変化

読み終えてから、僕は頼まれごとを全部背負い込むのではなく、「これは今すぐ5分でできることか、それとも自分をすり減らす依頼か」を一度立ち止まって考えるようになりました。与えること自体はやめず、与え方だけを見直す。このシンプルな軸を持てたことが、いちばんの収穫でした。

さいごに

「人がいいだけでは損をする」と感じている方には、ぜひこの本を手に取ってほしいです。『GIVE & TAKE』は、与えることを否定せず、賢く与え続けるための考え方を教えてくれる一冊でした。世界中で長く読み継がれ、多くの言語に翻訳されていると言われるロングセラーでもあります。

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