頼まれごとを断れず疲れ切っている人へ、「いい子脳」の正体を教えてくれる一冊『他人のために笑って、自分を泣かせてない?』を読んで肩の力が抜けた理由
こんな毎日を送っていませんか
職場の飲み会で、聞きたくもない愚痴を延々と聞かされる。頼まれごとを断りたいのに、結局「大丈夫です」と笑って引き受けてしまう。家に帰ってどっと疲れが押し寄せるのに、次の日にはまた同じことを繰り返す——僕自身、そんな自分にずっと違和感を抱えていました。周りからは「優しいね」「頼りになるね」と言われるのに、心の中はすり減っていくばかり。なぜ自分はこんなに他人を優先してしまうのか、その理由が分からないまま、ただ我慢することに慣れてしまっていました。
そんなときに手に取ったのが『他人のために笑って、自分を泣かせてない?』です。著者のこぐにーさんは公認心理師として、心理学の知見をストーリー形式でわかりやすく伝える発信者です。専門的な話を難しい言葉のまま伝えるのではなく、「あるある」なエピソードを通じて自分の状態を客観視させてくれる構成に、読みながら何度も心当たりがありすぎて苦笑いしてしまいました。
『他人のために笑って、自分を泣かせてない?』はどんな本か
この本の核となっているのは「いい子脳」という考え方です。子どもの頃から「他人を優先することで愛情や承認を得る」というパターンを繰り返してきた人の脳には、そのクセが染みついてしまっている、という心理学的なメカニズムを分かりやすく解説してくれます。単に「自分を大事にしよう」という励ましで終わらせず、なぜ自分を後回しにしてしまうのか、そのクセにどう向き合っていけばいいのかを、依存症の知見なども交えながら具体的に示してくれる点が、この本の実用性の高さだと感じました。
心に残った言葉・要点
①「“いい子”でいることは、報酬をもらうためのクセだった」という指摘
他人のために動いて感謝されることが、脳にとって一種の快感・報酬になっていて、それが積み重なって「いい子」でいることが習慣化してしまう、という説明には強く納得させられました。断れないのは意志が弱いからではなく、脳がそのパターンに慣れてしまっているだけなのだと分かり、自分を責める気持ちが軽くなりました。
②「自己犠牲は、優しさとは限らない」という視点
自分を犠牲にして他人に尽くすことは、一見すると優しさに見えても、実際は「嫌われたくない」「見捨てられたくない」という不安から来ている場合がある、という指摘にはドキッとさせられました。自分の行動の動機を見つめ直す、良いきっかけになりました。
③「断ることは、相手を拒絶することではない」という考え方
頼まれごとを断ると相手との関係が壊れてしまうのではないか、という不安を抱えていましたが、断ることと相手を否定することは別物だ、という考え方に触れて、少し肩の力が抜けました。断り方一つで、関係を保ったまま自分を守ることもできるのだと知れたのは大きな収穫でした。
④「自分を後回しにする脳のクセは、少しずつ書き換えられる」という希望
長年染みついた「いい子脳」のクセは、一朝一夕にはなくならないものの、小さな成功体験を積み重ねることで少しずつ変えていける、という考え方には勇気づけられました。すぐに劇的に変われるわけではなくても、変えていく余地があると知れただけで、気持ちが前向きになりました。
読み終えて変わったこと
読了後、僕は頼まれごとに対して即答で「大丈夫です」と言う前に、一呼吸置いて「本当に自分がやりたいことか」を確認する癖をつけるようになりました。すべてを断れるようになったわけではありませんが、無意識に自分をすり減らしていたことに気づけただけでも、大きな一歩だったと感じています。
同じように自分を後回しにしてしまうあなたへ
他人のために笑いながら、心のどこかで自分が泣いている気がする。そんな感覚に心当たりがあるなら、この本はきっとあなたの状態を言語化してくれるはずです。自分を大事にすることに罪悪感を覚えてしまう人に、ぜひ読んでほしい一冊です。
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