『嫌われる勇気』の続きが気になる人へ、『幸せになる勇気』を読んで「愛する勇気」の意味がわかった理由
「褒めればうまくいく」と思っていたのに、なぜかチームがまとまらない
以前『嫌われる勇気』を読んで、「他人の評価を気にしすぎなくていい」という考え方に救われた経験がある方は多いと思います。僕もその一人で、あの本のおかげで「嫌われることを恐れて自分を押し殺す」癖が少し軽くなりました。ただ、実際にチームのリーダーを任されるようになってから、新しい壁にぶつかりました。部下を褒めることには気を配っていたはずなのに、なぜかメンバーとの距離が縮まらない。むしろ「評価されるために動く」空気ができてしまっていたのです。
そんなときに読んだのが、前作『嫌われる勇気』の続編にあたる『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII』でした。前作が「他者からどう思われるかを気にしない生き方」を扱っていたのに対し、本作のテーマは「人をどう愛し、どう育てるか」という一歩踏み込んだ内容になっています。前作を読んでいなくても理解できる構成にはなっていますが、前作のテーマを踏まえたうえで読むと、より腑に落ちる続編だと感じました。
本の紹介
本書も前作と同じく、哲人と青年の対話形式で進みます。前作で語られた「課題の分離」や「他者からの承認を求めない」という考え方の先にある、「では、他者とどう関わり、どう愛していくのか」という問いに向き合っているのが本作の特徴です。教育・仕事・愛という3つのテーマを通して、アドラー心理学の「共同体感覚」という考え方を、より実践的な人間関係の話として深めてくれます。
心に残った言葉・要点
①褒めることは「上から下への評価」でしかない
褒めることが必ずしも相手のためになるとは限らない、という指摘に最初は戸惑いました。褒めるという行為は、能力のある人が能力のない人に下す評価であり、結果的に上下関係を固定してしまう。この視点を知ってから、部下への声かけを「褒める」ではなく「感謝を伝える」に変えるようになりました。
②尊敬とは「その人のありのままの姿に関心を持つこと」
尊敬という言葉が、単なる敬意ではなく「相手をありのままに見ようとする姿勢」として説明されている部分が印象的でした。自分の期待通りに動いてほしいという気持ちを一度脇に置いて、相手が何を見て、何を感じているのかに関心を向ける。この考え方は、部下だけでなく家族との関わり方にも影響を与えてくれました。
③教育のゴールは「自立」であって「服従」ではない
叱っても褒めても、相手を自分の思い通りに動かそうとしている点では変わらない、というアドラー心理学らしい厳しい指摘も心に残りました。教育や指導の本当のゴールは、相手が自分の力で課題に向き合えるようになることだと知り、細かい指示を出しすぎていた自分のマネジメントを見直すきっかけになりました。
④「愛される人生」ではなく「愛する人生」を選ぶ
本書の終盤で語られる、幸福とは誰かに愛されることではなく、自分から誰かを愛する決断をすることだという考え方は、前作の「嫌われる勇気」から一歩進んだメッセージだと感じました。相手の反応を待つのではなく、自分から関わっていく。この能動的な姿勢が、本書のタイトルにある「幸せになる勇気」の核心なのだと思います。
読み終えての決意・変化
読み終えてから、僕はチームメンバーに対して「評価する側・される側」という関係を少しずつ手放し、対等な立場で関心を持って関わることを意識するようになりました。すぐに何かが劇的に変わったわけではありませんが、以前より率直な会話が増えたと感じています。
さいごに
『嫌われる勇気』で自分自身との向き合い方が変わった方にこそ、続編である本書で「他者とどう関わるか」というもう一段先のテーマに触れてみてほしいです。同じシリーズの重複ではなく、前作の続きとして読むことで、アドラー心理学の全体像がより立体的に見えてくる一冊でした。
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