『人を動かす』

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頼んでもなかなか人が動いてくれないと悩むあなたへ、相手の心を動かす30の原則を学べる一冊『人を動かす』を読んで伝え方を変えた理由

チームのメンバーに仕事を頼んでも、なぜか優先度を後回しにされる。何度も催促するうちに、お互いの空気がぎくしゃくしてくる。そんな経験はないでしょうか。

僕自身、リーダー的な役割を任されるようになった頃、まさにこの壁にぶつかりました。正しいことを言っているつもりなのに、人が思うように動いてくれない。むしろ指摘すればするほど相手との距離が広がっていくような感覚があり、「自分の伝え方に何か根本的な問題があるのでは」と悩んでいたときに出会ったのが、D・カーネギーの『人を動かす』でした。発行部数500万部を超える世界的なロングセラーとして知られる、対人関係論の古典です。

本の紹介

すでに『完訳 7つの習慣』を読んだことがある方は、「似たような自己啓発本では」と思うかもしれません。ですが読んでみると、アプローチはかなり異なります。『7つの習慣』が自分の内面や価値観を整える「人格主義」的なアプローチだとすれば、本書はもっと実践的に、目の前の相手にどう働きかければ心が動くのかという、具体的な30の原則にフォーカスしている点が特徴です。抽象的な精神論ではなく、「明日の会話でそのまま使える」レベルまで落とし込まれているのが、長年読み継がれている理由なのだと感じました。

心に残った言葉・要点

①批判や非難は、相手を変えるどころか反発を生むだけ

正しいことを指摘しているつもりでも、批判された側は自分を守るために言い訳や反発を選んでしまう、という指摘に胸が痛くなりました。僕が後輩の仕事の遅れを指摘するたびに関係がぎくしゃくしていたのは、正論をぶつけることが、実は相手を変える力をまったく持っていなかったからなのだと気づかされました。

②相手にとって重要な存在だと感じてもらう

人は誰でも「自分は大切にされている」と感じたいという、人間の根源的な欲求に触れている部分です。仕事を頼むときも、単に「やっておいて」と伝えるのではなく、その人にしか頼めない理由を添えるだけで、相手の受け止め方がまったく違うことに気づきました。小さな一言の積み重ねが、信頼関係の土台になるのだと実感しています。

③まず心から相手に関心を持つ

自分の話をするより先に、相手に興味を持って耳を傾けることの方が、結果的に相手の協力を引き出しやすいという考え方です。僕はつい「どう説明すれば納得してもらえるか」ばかり考えていましたが、その前に「相手が今どんな状況で、何を大事にしているのか」を聞くようにしただけで、会話の空気が明らかに柔らかくなりました。

④自分の間違いをすぐ認める勇気

自分の非を素直に認めることは弱さではなく、むしろ相手の警戒心を解く一番の近道だという一節も心に残りました。プライドが邪魔をして「でも」「だって」と言い訳を挟んでいた自分を振り返り、まず「それは僕の伝え方が悪かった」と認めることから始めるように意識を変えました。

読み終えての決意・変化

この本を読んでから、人に何かを頼むときや指摘をするとき、頭ごなしに要求を伝える前に「相手にとってのメリットは何か」「相手を尊重する一言を添えられないか」を一度考えるようになりました。すぐに劇的な変化があったわけではありませんが、以前よりもチームの雰囲気が柔らかくなり、頼み事への反応も早くなってきたように感じています。原則を知っているだけと、実際に意識して使うのとでは、これほど違うものかと実感しています。

締めくくり

正論を言っているのに人が動いてくれない、そんなもどかしさを感じているなら、それは伝え方を少し見直すだけで変わるかもしれません。時代を超えて読み継がれてきた30の原則から、あなたに合う一つを見つけてみてください。なお、本書には「改訂新装版」と「文庫版」があり、どちらも電子書籍(Kindle版)が用意されています。手に取りやすい形で読んでみてください。

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