『1つの習慣』(横山直宏)

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「頑張っているのに、なぜか苦しいだけ」なあなたへ。『1つの習慣』を読んで”我慢”をやめる決意をした理由

📌 まず先にお断りしておきたいこと

このブログでは以前、ジェームズ・クリアーさんの『複利で伸びる1つの習慣(Atomic Habits)』という本を紹介しました。今回紹介する『1つの習慣 うまくいく人は、なぜ「これ」を大切にするのか』は、タイトルがよく似ていますが、著者も出版社も内容もまったく別の本です。前者は「習慣を仕組み化する行動科学の本」、今回の本は国内で複数の会社を経営する著者が「成功し続けている人が大切にしているたった1つの姿勢」について書いた、いわば経営者・実践者の視点からの本です。似た本だと思って読み飛ばしてしまうにはもったいない内容だったので、あらためて紹介させてください。

😮‍💨 「結果は出ているのに、なぜか満たされない」あの頃の僕

数年前、任されていたプロジェクトが評価され、社内表彰をもらったことがありました。数字だけ見れば、間違いなく「成功」でした。でも、家に帰って一人になった瞬間、達成感よりも先に「もう終わったのか、また明日から同じことの繰り返しか」という虚しさのほうが大きかったんです。

当時の僕は、成果を出すことと我慢することをほぼ同じ意味だと思っていました。「辛くても歯を食いしばって続けた人間が勝つ」「楽しんでいるうちは本気じゃない」——そんな価値観をどこかで信じ込んでいたんだと思います。だから結果を出しても、次第に「またあの我慢を積み重ねるのか」と気が重くなり、モチベーションはむしろ下がっていく一方でした。

そんなときに書店で目に留まったのが、Catch the Webグループの創業者で国内外8社を経営する横山直宏さんの『1つの習慣』でした。経営者コミュニティ「YCS」を主宰し、多くの成功者・挑戦者を間近で見てきた著者が、「結局この1つを大切にしている人が、長く成功し続けている」というシンプルな結論を提示している本だと知り、正直「たった1つ?」と半信半疑で手に取りました。

📖 精神論ではなく、”観察”から導かれた1つの姿勢

読んでみてわかったのは、この本が「楽しめば夢は叶う」といった安易な精神論ではないということでした。著者自身が数多くの経営者・起業家と接してきた中で、「長く結果を出し続けている人には、ある共通点がある」という観察に基づいて書かれており、その共通点を分解し、明日からの行動に落とし込めるレベルまで具体的に説明してくれています。

我慢や根性で結果を出した人は、どこかで燃え尽きて失速していく。逆に長く走り続けられる人は、目の前のことを「面白がる」技術を持っている——そのシンプルだけれど見落としがちな視点が、当時の僕には刺さりました。

🔥 「頑張る」と「楽しむ」は対立しない

一番はじめに価値観をひっくり返されたのが、この考え方でした。僕はずっと「頑張ること」と「楽しむこと」は別の引き出しにあると思っていました。仕事は歯を食いしばるもの、楽しみはプライベートで確保するもの、という分け方です。

でも本書では、結果を出し続けている人ほど、目の前の仕事そのものに面白さを見出す工夫をしている、という指摘がされていました。我慢して耐えている状態は、実は一番エネルギー効率が悪く、長続きしないというわけです。この一節を読んで、僕は自分がずっと「我慢の総量」で仕事の価値を測ろうとしていたことに気づかされました。しんどさに耐えた分だけ偉い、という考え方をそっと手放せたのは、この本のおかげだと思っています。

🎯 「好きなこと」ではなく「面白がる技術」を磨く

もうひとつ印象的だったのが、「好きなことを仕事にする」という発想そのものへの疑問です。本書では、最初から好きなことに出会えている人はごく一部で、多くの成功者はむしろ「与えられた仕事の中に、自分なりの面白さを見つける技術」を磨いてきた、という考え方が紹介されていました。

これは僕にとって、かなり救いになる視点でした。「自分には情熱を注げる天職がまだ見つかっていない」というコンプレックスをずっと抱えていたのですが、そもそも「面白がる対象を探す」のではなく「目の前のことを面白がれるように自分を変える」という発想があることを知り、肩の荷が下りた感覚がありました。実際、今取り組んでいる地味なルーティン業務にも、「どうすればこの中で工夫の余地を見つけられるか」という視点で向き合うようになりました。

🤝 一人で頑張り続けようとしない、という発想

著者が経営者コミュニティを主宰している人だからこそ書ける内容だと感じたのが、成功し続けている人ほど、一人で抱え込まずに人との関わりの中で自分を保っている、という指摘でした。孤独な我慢は長続きしないが、誰かと目標を共有し、励まし合える関係の中にいる人は、しんどい時期も踏ん張れる、という視点です。

僕はこれまで、仕事の悩みや不安は自分一人で処理しようとするタイプでした。弱さを見せることが怖かったんだと思います。でもこの箇所を読んでから、うまくいっていないことも含めて、信頼できる同僚に少しずつ話すようにしてみました。それだけで気持ちの負担がずいぶん軽くなることに、恥ずかしながら初めて気づきました。

🧭 「結果」より先に「プロセスの手触り」を確認する

最後に紹介したいのが、目標に向かう途中で自分に問いかけるべき視点についてです。本書では、結果だけを追いかけていると途中で心が折れやすいため、「今この瞬間のプロセス自体に、少しでも手応えや面白さを感じられているか」を定期的に確認することの大切さが語られていました。

以前の僕は、目標の数字ばかりを見て、そこに至るまでの日々を「早く終わらせたい期間」としてしか扱っていませんでした。この視点を知ってからは、週の終わりに「今週、面白いと感じた瞬間はあったか」を自分に聞くようにしています。ゼロの週もまだありますが、この問いを持つようになっただけで、日々の仕事への向き合い方が明らかに変わってきたと感じています。

💡 読み終えて、僕が変えたこと

読み終えて一番変わったのは、「我慢できる人が強い」という価値観を、少しずつ手放せたことです。結果を出すために苦しむのは当たり前だと思い込んでいた自分から、結果を出し続けるためにこそ、目の前のことを面白がる工夫が要るんだ、という考え方に切り替わりました。

すべての仕事を心から楽しめるようになったわけではありません。それでも、しんどいと感じたときに「これは我慢すべき場面なのか、それとも面白がる工夫の余地がある場面なのか」を一度立ち止まって考える癖がついたのは、この本を読む前の自分にはなかった変化です。

📚 「頑張っているのに苦しいだけ」なあなたへ

もし今、成果は出ているはずなのに心が満たされない、あるいは頑張り続けることに疲れてしまったと感じているなら、それは頑張りが足りないからではなく、頑張り方の方向がずれているだけかもしれません。

『1つの習慣』は、精神論に頼らず、長く結果を出し続けている人たちの共通点をシンプルな形で示してくれる一冊です。同じタイトルの別の本と混同せず、ぜひ一度手に取ってみてください。

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