『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』

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商談前の雑談で気まずい沈黙が怖い人へ、話し方の”型”を教えてくれた一冊『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』を読んで会話への苦手意識が消えた理由

🕒 商談の5分前、いつも心の中で焦っていた

取引先とのアポイントの前、エレベーターホールや応接室で交わす何気ない雑談。あの時間が、僕はずっと苦手でした。

本題に入る前の「今日は暑いですね」から会話が続かず、次の話題が見つからないまま気まずい沈黙が流れる。焦って無理やり話題を絞り出しても、なんだか スペースを埋めるためだけの言葉になっていて、相手の反応も薄い。商談そのものより、その前後の雑談のほうが何倍も緊張する――そんな状態が何年も続いていました。

「コミュ力が高い人って、生まれつき話がうまいんだろうな」と半ば諦めていたときに書店で目に留まったのが『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』でした。著者は安達裕哉さん。実は僕は以前、同じ著者の『頭のいい人が話す前に考えていること』も読んでいて、「話す前に何を考えるか」を扱った前作に対して、今作は「話している最中に何を意識しているか」により実践的に踏み込んだ内容になっている、という位置づけで手に取りました。

📖 才能ではなく「意識の向け先」の話だった

読み始めてすぐに感じたのは、この本が根性論やキャラクター論ではなく、あくまで「会話の最中に、頭の中で何にフォーカスしているか」という技術の話をしている、ということでした。コミュ力が高いとされる人たちは、決して話題のストックが無限にあるわけでも、天性のトーク力があるわけでもない。ただ、会話の中で意識を向けている場所が、自分とは違っていたのだと気づかされました。

しかも単なる知識の羅列ではなく、「明日の商談から使える」レベルまで具体的に落とし込んで書かれているのが良かったところです。読んだその日の打ち合わせから、少しずつ意識を変えてみようという気になれる本でした。

💬 心に残った言葉・要点

1. 「うまく話そう」とした瞬間に、会話は失敗する

本の中で繰り返し語られていたのが、気の利いた発言をしようと意識した瞬間に、かえって会話がぎこちなくなる、という指摘です。僕はまさに、沈黙を埋める「うまい一言」を必死に探すタイプだったので、これは耳が痛いところでした。

考えてみれば、相手の立場からすると、こちらが必死に気の利いたことを言おうとしている空気は、意外と伝わってしまうものです。以来、雑談の場では「面白いことを言おう」という力みを一旦手放し、目の前の相手が今何を感じていそうか、に意識を向けるようにしました。それだけで、不思議と言葉が自然に出てくるようになった気がします。

2. コミュ力が高い人は「話す量」ではなく「聞く質」で信頼を作る

もう一つ印象的だったのが、話が上手な人ほど、実は自分が話している時間よりも、相手の話を丁寧に受け止めている時間のほうが長い、という視点です。相槌一つ、質問の返し方一つが、その場の空気を大きく左右する。

僕はこれまで「沈黙=自分が話題を出して埋めるべきもの」だと思い込んでいましたが、その前提自体を見直すきっかけになりました。相手の一言をもう少し深掘りして聞き返すだけで、会話は自然と続いていく。話す技術の前に、聞く姿勢を整えることの方が先だったのだと腑に落ちました。

3. 沈黙は「埋めるもの」ではなく「使うもの」

沈黙が怖くて、つい早口で言葉を継ぎ足してしまう癖も、この本を読んで見直したポイントです。本書では、間を怖がらずに、あえて相手に考える余白を渡すことも、信頼を築くコミュニケーションの一部として紹介されていました。

無音の数秒がそれほど怖いものではないと知れただけで、雑談中の焦りがかなり和らぎました。今では、沈黙が訪れても「相手が言葉を選んでいる時間かもしれない」と捉えられるようになり、無理に埋めようとする癖が減りました。

4. 会話の主役は自分ではなく、相手であるという前提

自分の話がうまく展開できないとき、僕はつい自分の経験談で場をつなごうとしていました。ですがこの本では、会話が盛り上がる人ほど、話題の主役を相手に置き続けている、という点が強調されていました。

自分のエピソードを話す量を減らし、代わりに相手の話に興味を持って質問を重ねる。この小さな比重の変化だけで、雑談の空気がずいぶん柔らかくなったように感じています。

🔄 読み終えての変化

この本を読んでから、商談前の雑談に対する構え方が明らかに変わりました。「うまく話さなきゃ」というプレッシャーを手放し、代わりに「相手をよく聞こう」という意識に切り替えたことで、雑談そのものへの緊張感がかなり減りました。皮肉なことに、話そうとする力を抜いたぶん、会話は前よりも自然に続くようになったと感じています。

最後に

雑談や商談前の空白時間が苦手で、気の利いた一言を探すことに疲れてしまっている方には、この本はきっと肩の力を抜くきっかけになると思います。前作『頭のいい人が話す前に考えていること』を読んだ方にも、今回の一冊は「話す瞬間」により焦点を当てた続編として、あわせて読む価値があるはずです。

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